ご冗談でしょう、ファインマンさん

今回紹介する本は、「頭がいい人のふざけた本」。ノーベル賞まで受賞した位に頭がいいファイマンさん。彼がユーモアを交えて書くエッセイはとても面白い。単純に面白い。そんな本が岩波現代文庫から出ているんですね。全然硬くないし、読みやすいので、スラスラ読めてしまいます。この本を読んで感じた事を書いていきます。

 

ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)(下)

リチャード P. ファインマン (著), 大貫 昌子 (翻訳)
岩波現代文庫

 

この本を読もうと思ったきっかけ

前回一時帰国したい際に書店で、頭は「本の読み方」で磨かれる(茂木 健一郎)を立ち読みしました。これはなかなか良い本だったのですが、かなりの数の書籍を紹介しており、この本自体より、その中に紹介されている本を読みたくなりました。茂木さんの本は買わず、以下の三冊を買って帰りました。
1.ご冗談でしょう、ファインマンさん (リチャード P.ファインマン)
2.イワンデニーソヴィチの一日 (ソルジェニーツィン)
3.硝子戸の中 (夏目漱石)
今回紹介するのは、1冊目。ご冗談でしょう、ファインマンさん (リチャード P.ファインマン)です。

 

ノーベル物理学賞受賞者

ファインマンは朝永振一郎、シュウィンガーとともにくりこみ理論でノーベル賞を受賞した生粋の理系エリートです。くりこみ理論とは、数学的な手法なのですが、物理学者のファインマンは量子力学が抱えていた「計算結果が無限大に発散してしまう」という問題を解決するためにこの手法を提案し、量子力学の発展に寄与しました。この本を読むことで、このような人間の科学の歴史を進歩させるための偉業を成し遂げる人の思考回路というのは、どのようになっているかがわかるのです。

 

ファインマンさんとは?

さて、そんな物理学者とはどんな人なのか?この本を読んでわかる限り、相当な女好きです。そして、いたずら好き。まったく理系の固さを出さないユーモアあふれる人です。ファインマンさんは子供のころからなんでも修理したり、自分で解決するのが好きだったようで、大人になってもいたずら心は変わらなかったようです。そういう子供が伸びるんだな、と感心してしまいました。

そして女性にまつわるエピソードが良く出てきます。彼の中の判断基準の大きなものの一つが女性であるようで、世界各地の女性について書かれています。そのなかでも、日本の旅館の女将についてのくだりは面白く、日本人なら読んでみてほしい内容です。

 

それでも科学者

全体を通してコミカルに描かれているのですが、そんな中でファインマンさんが際立って見えるのが自分の芯を曲げないところです。私も技術者ですから、科学的にものを見ているつもりです。ですが大企業に属する私は上司と意見が対立することがあっても、なかなか強気にはなれない時もあります。それに比べて、ファインマンさんは科学的見地から自分の意見を持っていて、かつ、権力のある人に対しても間違っていることに対しては徹底的に意見を言います。
難しい言葉を使って、何でもない事を言う人に対しては、そのままストレートに言う。これはものすごい事だと思いました。

 

ロスアラモスにて行われた原爆開発(マンハッタン計画)

そんな大胆で痛快なファインマンさんの自伝ですが、日本人にとって愉快に読めない部分もあります。それが、「下から見たロスアラモス」という章です。
この章では、マンハッタン計画として有名な原子爆弾開発の現場について書かれています。当時のファインマンさんはかなり若く、ひとつの歯車に過ぎなかったのですが、現場で働く一科学者として、ロスアラモスを見ています。普通、自分が原爆に関わっていたとなっては、それを語る事すらタブーのように思いますが、ファインマンさんはそれすらコミカルに描いてしまいます。
原発の開発現場をコミカルに描くことは勇気が必要だと思うし、歴史を振り返るうえで必要な事だと思うので、私としてはマイナスの評価ではないです。

 

まとめ

最後に、この本の何が本当にすごいかというと、科学に対して誰でも興味がわくようにコミカルに描かれている点です。わたしは理系なのですが、文系の人からしても面白い内容になっているので、どんな分野の人にも是非、お勧めしたい本です。

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元シンガポール在住のエンジニア。趣味は旅行と、本を読むことと、走ることと、ヨガと、サーフィンと、音楽を聞くことと、カメラと。。。何かに依存せずに自分を持っている人を尊敬します。