白夜 ドストエフスキー 角川文庫 小沼文彦=訳

オススメ度

★★★☆☆ 星3つ

こんな時に

ドストエフスキーの『罪と罰』や『白痴』を読み終わりもっとドスエトエフスキーの作品を読みたい又は知りたい時にオススメです。

レビュー

ドスエトエフスキーの『罪と罰』『白痴』を読み終わり、もっと彼の作品を読みたいと思い今回の本を読むことにしました。

ストーリーを簡単に説明すると、

ペテルブルグに住む貧しく孤独で空想家(妄想家)の青年が、白夜のある日散歩の途中で出逢った少女ナースチェスカに恋をし破れる。

儚く、切ない短い恋の物語である。

では、詳しくみてみよう。

主人公は緑色のすすけた壁で天井には蜘蛛の巣だらけの部屋で女中と2人暮らしをしている。

きっとその部屋の窓は小さいのが2つで薄暗い陰険な部屋なんだろうと想像できる。

青年は、この部屋で自分は不幸で孤独で、みんな自分から離れようとしている、と妄想する。

彼にこういう妄想させるのは、大いにこの部屋に一因があるのではなかろうか。

もし、彼が真っ白な壁で、蜘蛛の巣が一つもなく明るい部屋に暮らしていたなら、不幸で孤独で、みんな自分から離れようとしているなどネガティブな妄想はしないに違いない。

余談だが、『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフも、暗い陰険な部屋に住んでいた。この暗い陰険な部屋がネガティブな妄想を彼にさせ、結果的に殺人を犯させたのではないだろうか。

みなさんも読書をし夢中になっていると日が暮れて気づけば部屋が薄暗くなっているこがたまにないだろうか。こういう薄暗い夕暮れ時というのは、なんとなく寂しい気持ちになり、ふとぼーっと空想にふけてしまう。

夕暮れ時の薄暗さは、人を寂しい、ネガティブな気持ちにする。

暗いという環境は、人を不安にさせネガティブな感情を抱かせ精神、思考に影響を与えるのかもしれない。

青年はキュウキュウ狭くゴミゴミした都会の自分の陰険な部屋を出て、自然のある開放的なところまで散歩に出た。自然に触れ幸福を感じていた。

そんな時泣いている少女をみつける。

声をかけたいが、内気な彼はなかなか声をかけられない。そうこうしているうちに、少女が男にからまれそうになったとこを彼が助ける。

内気な彼に少女を助けるという、ものすごい勇気が必要な行動をさせたのはこの美しい少女ナースチェンカに恋してしまったからだと思う。

男性は、美しい女性とその涙に弱い。彼も例外ではない。

僕がこの不幸でかわいそうな少女を助けてあげなければ、という正義感と同情も相重なり、ナースチェンカに恋に落ちたんだと考える。

哀れみや同情から始まる恋は、だいたい長くは続かないというのが私の考えである。

彼のこの恋も、結果的にはそうなった。

ナースチェンカには、結婚を約束した想い人がおり1年後に少女のところにむかいにくると約束していた。しかし1年後彼は現れず、悲嘆にくれていた少女は泣いていた。そこで主人公の青年と出逢い、泣いていた訳を話し、また彼の身の上話を聞き、話しているうちに彼を好きになる。

ナースチェスカは、1年経っても現れない想い人より、今目の前にいる素敵な青年と結婚する約束をする。しかし、少女の想い人が1年と3日目に現れる。ナースチェスカは、青年ではなく想い人を選び、青年の儚く短い恋は終わった。

好きな人に裏切られ大変辛い思いをしたはずなのに、彼の心は邪悪なもになるばかりか、寛大な心でナースチェスカの幸せを願い、彼女との短い恋は長い人生の中でも最高の至福のときであったと彼は最後に述べている。

ここで、本書の最初に戻り下記の一文について考えてみたいと思う。

・・・・・・それとも彼は、たとえ一瞬なりともそなたの胸に寄り添うために、この世に送られた人なのであろうか?・・・・・・

イワン・トゥルゲーニェフ

本書を読み始めた時、この一文はどういうふうにストーリーと関わってくるのかなと思いながらただ深く意味を考えず読んだ。

読み終わり、またこの一文に戻って考えてみた。

彼(青年)は、たとえ一瞬なりともナースチェスカの胸に寄り添うために、この世に送られた人ではない、と私は思う。

彼はナースチェスカと最高の恋をした、彼女の胸に寄り添うためだけの目的で生まれてきたのではなく、また違う誰かと最高の恋をし幸せになるためにこの世に送られてきたのだ。

ただし、今住んでいる部屋を出て、女中とお別れし、ネガティブな負のスパイラル妄想を断つことは必須だと思うが。

心機一転、彼にはまた最高の恋をしてほしいと願い、

レビューを終わります。

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ABOUTこの記事をかいた人

海外でしばらく生活し、日本に帰国したが、また海外で暮らしたい。 今は大好きな日本での生活を楽しみたいと思ってます。 趣味は、読書、旅行、落語、ヨガ、ランニング、壊れた物を直す事、物をエイジングする事。 本は、いろいろな事を教えてくれるから大好き。私の大先生みたいなもんです。 旅行は、学生の頃はよく一人旅行ったな。家族、パートナー、友達ともよく行く。どっちにもそれぞれの良さがあるし、旅先での出逢いっていうのはたまらなく好きだ。寅さんみたい、旅先でものすごく仲良くなってしまうっていうのはめったにないが、出逢いがあると旅はグッと面白くなる事は間違いない。 落語は、いつも古今亭志ん朝(3代目)ばっかり聞いてしまう。大ファンなのだ。声が良い。柳田格之進、文七元結、井戸の茶碗とかきくともう涙が出て出てしょうがない。代脈とかは、笑いたい時によくきく。 ヨガ、いちおインド政府公認のインストラクターの資格を持っている。だがしかし、活かせてない、、、、。という話しはさておき、ウブドに毎月行ってヨガしてたほど、ウブドでヨガするのが好き。 ランニングは、かれこれずっとやってるな。海外でもレースに出たり、国内でもやってた。だがしかし、最近レース出てないな。近所をのんびり走る事が多くなりました。ランナーズハイ、これは本当にヤバイです!たまりませんね。 壊れたものを直すのは、本当に大好き。ボンドでつけたり、縫ったりとそんな程度ですけど。物を大切に使うのも好き。一番長いのは、幼稚園の頃から使ってる湯たんぽかな。 エイジングは、お気に入りのラウンジチェア、南部鉄瓶、南部鉄の急須、バック、コート、靴。 こんな私ですが、どうぞよろしくお願いします。