銀河鉄道の夜

実はこの作品を今まで一度も読んだ事がなかった。

というか、宮沢賢治さんの本を読んだ事がなかった。

読書家である相棒が、

銀河鉄道の夜、とっても良いからぜひ読んでみて、

と言ってきた。

ということで、早速読んでみました。

ネタバレ注意です。

素敵な4次元世界

いきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊の火を一ぺんに化石させて、そら中に沈しずめたというぐあい、またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、わざととれないふりをして、かくして置いた金剛石を、誰れかがいきなりひっくりかえして、ばらまいたという風に、眼の前がさあっと明るくなって、

窓の外の、まるで花火でいっぱいのような、あまの川のまん中に、黒い大きな建物が四棟ばかり立って、その一つの平屋根の上に、眼めもさめるような、青宝玉サファイアと黄玉トパースの大きな二つのすきとおった球が、輪になってしずかにくるくるとまわっていました。黄いろのがだんだん向うへまわって行って、青い小さいのがこっちへ進んで来、間もなく二つのはじは、重なり合って、きれいな緑いろの両面凸とつレンズのかたちをつくり、それもだんだん、まん中がふくらみ出して、とうとう青いのは、すっかりトパースの正面に来ましたので、緑の中心と黄いろな明るい環わとができました。

一部本から、素晴らしい風景描写箇所を抜粋しました。

宮沢賢治さんの本を読んで一番初めに感じたのは、とても美しい世界、4次元の世界風景を言葉で綴っている方だなと感じました。

4次元の世界、行ったことないけど、もしもあったらこういう景色、場所なのかなぁ、と。

もうすでに、私は賢治ワールドの住人になってしまいました。

目を閉じて、ゆっくり呼吸すると

もうそこは賢治ワールドです。

こんな風に、宮沢賢治さんのファンの方々も住人になってるのかな。

宮沢賢治さんの言葉

宮沢賢治さんの言葉使いは、今まで出逢った作家さんの誰にも似てないどころか、究極に宮沢節炸裂ですね。

特に面白いなと思った箇所を紹介させてください。

ジョバンニは、頂の天気輪の柱の下に来て、どかどかするからだを、つめたい草に投げました。

どかどかするからだ

どんな体だろう?

私は、こんなんかなって思うんです。

今日届けられるはずの牛乳が届いておらず、病気のおっかさんに飲ませてあげれない。おっかさんに牛乳飲んでもらい少しでも元気になってほしい。その一心で、牛乳屋さんに届けられるはずだった牛乳を取りに行くが、タイミング悪くその時はもらえない。ジョバンニはきっときっとがっかりしたと思う。だって、後ほど来いと言われたが、後ほど行ったとしてもまたもらえない可能性だって十分にある。おっかさんに飲ませたいという強い想いと、叶えてあげることが出来ないかもしれない自分への不甲斐なさやついてない自分への苛立ち、そんなおもいがあったんじゃないかな。

誰も一言も物を云う人もありませんでした。ジョバンニはわくわくわくわく足がふるえました。魚をとるときのアセチレンランプがたくさんせわしく行ったり来たりして黒い川の水はちらちら小さな波をたてて流れているのが見えるのでした。

わくわくわくわく足がふるえました。

この一文は非常に非常に考えさせられました。通常わくわくって、楽しい時に使いますよね。

足がふるえてる。

そして、大切な友達、カムパネルラが、さっきまで一緒にいたカムパネルラが川に落ちて見つからない。

こんな状況の時に、楽しさを表現する言葉は使うわけがない。

私は、こう思うのです。

さっき4次元の世界で一緒だった、カムパネルラ。最後に、カムパネルラはお母さんがいる天上にいき、ジョバン二はカンパネルラと急なお別れする事になった。非常に辛く悲く涙を流す。そこでジョバンニは3次元の世界に戻って来た。

カムパネルラは、人を助け、自分の為じゃなく、その人の幸せのためになる事をし、その結果自分は死んでしまった。

人は、いつも誰かの為に自分が出来る事をしてあげたいとおもう心をもった生き物だと思うの。本の中にさそりの話しでも、こういう一文がある。

まことのみんなの幸せのためにわたくしのからだをおつかいください。

みんな、悪いことをしている人もしてきた人も、してない人も、みんなこういうおもいが人間の性質の一つとしてあると思うの。

カムパネルラが、3次元世界の最後に人の為になる事をして亡くなっていった。

そして、4次元またはもしかしたらそれ以上にある世界でお母さんと一緒になれた。

この二つの事実をジョバンニは知っている。カムパネルラは、冷たく暗く不幸な世界にいったのではない。むしろその逆であると。

こういうときに、

わなわな足がふるえた。

だと恐怖や不幸という状況を表すならいいかもしれないが、これは全く逆だ。

だから、わくわくわくわく、という明るさ幸せを表すこっちの表現がピッタリだ。

最後に

今レビューを書きながら、なんべんもなんべんも本を読んだ。

結局3回読んだ。

それでも、まだまだ、もっと読みたい。

読めば読むほど、味がでる。

するめと一緒だ。

まだ、私は4次元の世界から帰れなさそうだ。

あ〜この本は名作だ。

よ〜し、

これからこの本を紹介してくれた相棒とこの本をつまみに一杯頂くことにします。

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海外でしばらく生活し、日本に帰国したが、また海外で暮らしたい。 今は大好きな日本での生活を楽しみたいと思ってます。 趣味は、読書、旅行、落語、ヨガ、ランニング、壊れた物を直す事、物をエイジングする事。 本は、いろいろな事を教えてくれるから大好き。私の大先生みたいなもんです。 旅行は、学生の頃はよく一人旅行ったな。家族、パートナー、友達ともよく行く。どっちにもそれぞれの良さがあるし、旅先での出逢いっていうのはたまらなく好きだ。寅さんみたい、旅先でものすごく仲良くなってしまうっていうのはめったにないが、出逢いがあると旅はグッと面白くなる事は間違いない。 落語は、いつも古今亭志ん朝(3代目)ばっかり聞いてしまう。大ファンなのだ。声が良い。柳田格之進、文七元結、井戸の茶碗とかきくともう涙が出て出てしょうがない。代脈とかは、笑いたい時によくきく。 ヨガ、いちおインド政府公認のインストラクターの資格を持っている。だがしかし、活かせてない、、、、。という話しはさておき、ウブドに毎月行ってヨガしてたほど、ウブドでヨガするのが好き。 ランニングは、かれこれずっとやってるな。海外でもレースに出たり、国内でもやってた。だがしかし、最近レース出てないな。近所をのんびり走る事が多くなりました。ランナーズハイ、これは本当にヤバイです!たまりませんね。 壊れたものを直すのは、本当に大好き。ボンドでつけたり、縫ったりとそんな程度ですけど。物を大切に使うのも好き。一番長いのは、幼稚園の頃から使ってる湯たんぽかな。 エイジングは、お気に入りのラウンジチェア、南部鉄瓶、南部鉄の急須、バック、コート、靴。 こんな私ですが、どうぞよろしくお願いします。