安心したがる人々

前回、数十年ぶりに曽野綾子さんの太郎物語を読んだら、もっと曽野綾子さんの本を読みたいなと思い今回はこの本をチョイス。

さて、本を読んで特に自分が考えさせられたり、気になるところをあげてみました。

おこさまの時代

 誰もが苦しみに耐えて、希望に到達する。努力に耐え、失敗に耐え、屈辱に耐えてこそ、目標に到達できるのだ、と教えられた。誰も苦しみになど耐えたくない。順調に日々を送りたい。しかし人生というものは、決してそうはいかないものなのだ。さらに皮肉なことに、人生で避けたい苦しみの中にこそ、その人間を育てる要素もある。人を創るのは幸福でもあるが、不幸でもあるのだ。

 しかし現代は不幸の価値は認めない。だから苦しみが必要な仕事は避け、努力が要るものは学ばなくなった。

(中略)

 日本人の多くは、もはや個性を持たなくなった。すべて人の言う通りの型通りの価値観にしがみつき、同じ時間のつぶし方をする。哲学もなく、気概もなく、本を読んで人生を考える努力もしない。与えることは一切考えず、「弱者に優しい世界」を要求する。子供がお菓子や玩具を買ってもらえないと、地団太を踏んで泣き喚くのと同じだ。

 この日本社会の幼児化に、私は少し倦て逃げ出そうという気になっている。(中略) しかし、身近に実生活の厳しさの実感のない暮らしというのも、日本人のおかれた環境が、どこか過保護で歪んでいるところからでてきているように私は思えるのである。

日々努力、失敗、屈辱に耐えているような人生を歩んでいる日本人はどのくらいいるのかなと思う。

明治生まれの私のおじいちゃんおばあちゃんが育った時代からくらべと、今はものが豊かになり、人間がやらなくても機会がやってくれ、時間も体力も使わずにすむ。

お風呂は薪でくむのではなくスイッチ一つ、床掃除も雑巾がけではなくルンバがやってくれる、洗濯も手洗いからスイッチ一つでやってくれる。

このように昔に比べ、生活の基本の中に厳しさ、苦労などなくなってきた。

現代人は、随分楽な生活をしてる。食べ物だって、自分で動物を殺さずとも、食べやすいように加工された状態で売られてる。誰かに獲物を横取りされる心配やくつじょを味わうこともない。

昔は、生活の基本的な事をするにも、努力、失敗、屈辱などが必然的にあったが、今は無い。

もし、生きていくうえで、そういう努力、失敗、屈辱などが日頃から必要であれば、そうするかもしれないが、日常生活ではそういうことはあまり必要無い。

親、祖父母、親戚、近所の人、先生も今は怒ったりする人、昔に比べて激減してると思うので、努力しろとか忍耐しろとか言う人もいない。

現代人は、努力、失敗、屈辱は時々で、あとは順調に楽しく、たのしみながら日々を送っている人が増えていると感じる。

それもありかなと思う。

賢い国民の幼い国家

 幼時から始める教育の大切さは、問答無用に、常識的な社会の規約に従わせることだ。(中略) 挨拶をすること。人と付き合って、人間関係を知ること。人に迷惑をかけないこと。人間の命を絶たないこと。盗まないこと。感謝をできること。本を読み、学ぶこと。人生の苦悩に継続して耐える力を養うこと、などが幼時から行なう教育の特徴である。

 その後に成人教育が続く。すべての教育責任は自分になる。教育するのは親でもなく、教師でもなく、社会構造でもない。従って教育も強制ではなく、自発的なものになり、自分を磨く者は自分だけになる。外界が悪い場合でも、強靭な個性があれば、それらを反面教師として使うことができる。生涯にわたってひたすら、謙虚に失敗を重ねつつ、自分で自分を教育するのが成人以後の教育だ。自分の意思を持つこと。一生にわたってしたい仕事や研究を見つけること。社会の一員として自分を位置づける謙虚さと視野の広さを学ぶこと、などである。

曽野さんが上で述べているようなことを実践していくと賢い国民になる。

本を読み、学ぶこと、というのは幼時教育に限らず、死ぬまで一生続けるのが良いと思う。本から得るものは、無限である。

最後に

曽野さんは、自分の意見を常にもち、努力、忍耐をし続けている人なんだろうなと思う。自分にはできない事だから、すごいと思う。

私も、もう少しだけ努力してみようかなという気になってきた。

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海外でしばらく生活し、日本に帰国したが、また海外で暮らしたい。 今は大好きな日本での生活を楽しみたいと思ってます。 趣味は、読書、旅行、落語、ヨガ、ランニング、壊れた物を直す事、物をエイジングする事。 本は、いろいろな事を教えてくれるから大好き。私の大先生みたいなもんです。 旅行は、学生の頃はよく一人旅行ったな。家族、パートナー、友達ともよく行く。どっちにもそれぞれの良さがあるし、旅先での出逢いっていうのはたまらなく好きだ。寅さんみたい、旅先でものすごく仲良くなってしまうっていうのはめったにないが、出逢いがあると旅はグッと面白くなる事は間違いない。 落語は、いつも古今亭志ん朝(3代目)ばっかり聞いてしまう。大ファンなのだ。声が良い。柳田格之進、文七元結、井戸の茶碗とかきくともう涙が出て出てしょうがない。代脈とかは、笑いたい時によくきく。 ヨガ、いちおインド政府公認のインストラクターの資格を持っている。だがしかし、活かせてない、、、、。という話しはさておき、ウブドに毎月行ってヨガしてたほど、ウブドでヨガするのが好き。 ランニングは、かれこれずっとやってるな。海外でもレースに出たり、国内でもやってた。だがしかし、最近レース出てないな。近所をのんびり走る事が多くなりました。ランナーズハイ、これは本当にヤバイです!たまりませんね。 壊れたものを直すのは、本当に大好き。ボンドでつけたり、縫ったりとそんな程度ですけど。物を大切に使うのも好き。一番長いのは、幼稚園の頃から使ってる湯たんぽかな。 エイジングは、お気に入りのラウンジチェア、南部鉄瓶、南部鉄の急須、バック、コート、靴。 こんな私ですが、どうぞよろしくお願いします。